Friday, September 23, 2011

1。母がよく父の残しものを食べていたのを、きみ子は思い出した。



きみ子はせつない気持がこみあげて来た。泣きそうな幸福であった。



母はただ勿体ないと思っただけで、今もただそれだけのことで、ざくろをきみ子にくれたのだろう。母はそういう暮しをして来たので、つい習わしが出たのだろう。



きみ子は、秘密のよろこびに触れた自分が、母に恥ずかしかった。

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